ラヴェルのボレロはRadioheadのcreepと似た要素があると思った。

先日、N響定演にてあの有名なラヴェルのボレロを初めて聴いた。

スネア+フルートから始まり、様々な音色の組合わせが巡り巡ってフルオケへ。ある旋律をひたすら10分以上繰り返すだけの曲なのに、何という楽しさ。そして、アイデアだろう。という事をライブ演奏を観て聴いて初めて実感した。

往年人気がある音楽というのは何より人の心が宿っていて、それがきっと時代の人の琴線に触れるのだろう。コンサートを見ていて、僕の場合だけど、ふとRadioheadのcreepが頭に浮かんだ。シンプルな楽曲構成だけども、独特な楽しい表現方法。ライブで映える音楽として、似た要素がこの2つにはあるのかも知れない。

個人的にこの日のボレロの演奏中、特に心を持ってかれたのが、黒田英実さんのスネアだった。絶妙なテンポ&リズム、そして強弱。音色も優しいだけでなく、小柄で可愛らしい見た目と打って変わって堂々とクリアに響いていた。彼女のインタビュー記事によれば、1つの音へのこだわり、”音を繋ぐ”という事に心血を注がれているとのこと。なるほど、素敵だ。とても素敵だ!いつかご一緒できたら。バンドでぜひ合わせて頂きたい!…なんて欲望が出てきたりする。ボレロ演奏後、この日一番の拍手喝采が彼女に起こっていたように思う。

コンサートに実際に行って知った事なのだけど、この曲は途中でバイオリンやビオラをギターのように横に持って弦を弾く箇所がある。やはり実際に演奏を見る、ってのは音楽をより楽しむためにも、改めて非常に有効なんだな、と。

 

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またもやフランスだよ。

ある映画を観て、とても音楽がいいな〜と思って調べたら、またもやフランスの音楽家だった。この人いいな〜と思ったのでフランス出身だったり、フランス人だったりってことが結構多い。

実は生まれて初めての海外がフランスのニースだったのだけど、あまり人も優しくない感じだったし、ご飯も(たまたま?)美味しくなったし、言葉が全く分からないし、止めにニース空港でガムくちゃくちゃしてたギャルっぽい荷物検査員の女の子に差別的な行為をされたってんで、あまり好かん国と思っていた。けど、やはりここまで自分が好きな音楽家がいるんであれば、もう少し寛大に受け入れる必要があるような気がしてくる。

とりあえずパリ行った事ないんで、行ってみたい。ニースとはやはり違うかな?ニースもきっと自分の思っているのよりも良いところなのだろうけど。

坂本龍一。

坂本龍一さんの音楽はとても好きだ。と、書くと今更感があり過ぎて、なんだかチープな告白になってしまうけれども、「音楽を作るぞー」というテンションに自分を持って行きたい時なんか、よく坂本龍一の音楽を聴く。

そんな坂本龍一のドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』(スティーブン・ノムラ・シブル監督)を観てきた。

僕の中で勝手な位置付けなのだけれど、近代日本音楽のある重要音楽家の系譜が、「宮城道雄→武満徹→…」と来た場合、武満徹の次は、坂本龍一が入るのかななんて考えている。

この3名は、”先代”の音楽を批判的な目で考察していた時期があるというのが興味深いところだが、その一方で、音楽を生み出す精神に共通した特徴を持っているようにも感じる。つまり、自然と音楽との共存を目指した(ここの表現が非常に難しい)とでも言おうか。劇中、坂本龍一がひたすらに自然と対話しているような、自然と音楽を結びつけようとしているような、そんなシーンが多く感じた。

僕は最近、考えるようになった。日本に生まれたからには日本人の音楽を自分の中にも育てたい。日本人の音楽は1,000年以上歴史がある。その楽曲や楽器を知ると、どれだけ日本人が自然を大切に思い、共存しようとしてきたかが伝わってくる。坂本龍一が劇中で挑戦している姿は、(作業現場は主にNYのご自宅らしいのだけど)とても日本人らしい行動なのかも知れない。

 

好きよりも信じる。

コンペを2つ、並行して作業している。いずれも歌もの。

歌詞とメロディががっちりはまった時の快感に変えられるものはない。

何より、誰も聴いた事のない、それでいてどこか聴き覚えのあるような。

それをひたすら探す。探す。探す。そして、届ける。

そこまでが自分の仕事。

好き、という気持ちよりも、信じるって事の方が大事かもと最近思う。

仕事も、人間関係も。全部。

超私事な話。

最近、特にTwitterとFacebookから距離を微妙に置いている。

近い将来にはInstagram以外はやめようかなとも思っていたりする。

SNSはちょっとした情報をざざざっと得られたりするので、正直やめる程のものでもない気はするのだけど、それがないと自分はやっていけるのかどうか、前々から試してみたい気もしていた。

ちなみに、このBlogは続けるつもりでいる。自分の気持ちを整理するためにも。

 

青木

 

廣原暁の映画に”答え”は要らない。

廣原暁監督映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」、公開から1週間。

主にネットから得た情報だけれども、たくさんのご好評を頂いているようで、音楽で制作に携わらせて頂いたものとしても、とても嬉しく光栄に思っている。

この映画は、早見和真さんの小説『ポンチョに夜明けの風はらませて』を原作としていて、詳細な部分を含めた物語の流れは監督である廣原さんらによって脚色されている。

高校卒業を間近に控えた男子高校生3人(黒沢清監督曰く、役者が高校生に見えない)が、漠然とした目標を行き当たりばったりに掲げ、途中ひょんな事で出会ったグラビアアイドルと風俗嬢を車に乗せ、免許取立ての主人公・又八の際ど過ぎる運転でずんずんずんと街から街へ、海から海へと突き進んで行く、いわゆるロードムービー。この映画には、”答え”のようなものはない。そして、”終わり”もない、と僕は思っている。

僕は子どもの頃からRPGが好きだったのだけど、クリア寸前でゲームを中断するということがよくあった。理由は、そのゲームがもう終わってしまうのが何となく寂しいから。どんなにこちらがLvアップしようが、伝説の武具一式を揃えようが、ゲームには結局終わりがありエンディングがある。当たり前の話だ。終わりがないと商品として成り立たなくなってしまう。ゲームによって、”Exダンジョン”や”裏面”があるというのは、終わって欲しくないというゲームユーザーの欲に応えた産物なのかもと、今更になって思う。

話が逸れたが、”終わり”がないというのは、作品にとって、とても魅力的な特長なのではないだろうか。もちろん、”答え”や”終わり(ピリオド)”を期待する受け手もきっと多いだろうし、そういう気持ちも十分分かる。敢えて言ってしまうと、映画を見終えた後に”とても明快な何かが得られる”事を期待される人には、正直イマイチに感じてしまう、そんな映画なのかも分からない。若い野郎3人(+1人)と女2人が、当てもなく一心に馬鹿な事をし続ける、それ以上でもそれ以下でもない映画なのだから。そして、90分間、彼らの世界に浸り続けた後に、自分の中で一瞬沸き起こった何かしらの感情・シーン・言葉、etc…、それこそがこの映画が世に提示する最大のものなのかも知れない。

しかし、繰り返すが、この映画には”答え”のようなものはない。映画としてのクライマックスをどう受け止めるのかは、人それぞれだろう。でも、それでいいじゃないか。主題歌である、”忘れらんねえよ”の『明日とかどうでもいい』の歌詞にある「意味とかどうでもいい」なのだ。

ちなみに僕はクライマックスで、涙が、溢れはしなかったけども、出そうになった。観ていて爽快だった。この映画を観終えた後、多くの人が同じように心持ちが軽く、もしかしたら熱く、もしくは穏やかに、なってくれるのではと強く信じている。この機会に、ぜひとも劇場へ足を運んでご覧頂きたい。

 

 

染谷将太さんの話。

先日より公開中の映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」(廣原暁監督)で、
染谷将太扮する”中田”という高校生がエレキギターで演奏するシーンがある。
そのシーン撮影に向けて、染谷さんのギター指導を受け持たせて頂いたのが、
この映画の制作に携わらせてもらったきっかけだった。

レッスン期間はおよそ3ヶ月弱。ギターの経験ほぼ0の状態からのスタート。当初の予定では、本番まで2〜3回の直接指導とその後は個人練で何とかカバー出来ればというお話だったが、最終的には数も大きく上回って計10回、一緒にスタジオで”中田”のイメージを共有しながら練習を重ねていった。

まず第1に感じたのが、”ドラムが好きで、友達とスタジオに入って遊んだこともある”とおっしゃるのも納得出来るリズム感の良さ。おそらくどの楽器演奏にも言えることだろうけど、リズム感に長けていることは、限られた時間内にスキルを習得するのにかなりのプラスになる。

なにより驚かされたのが、その集中力だ。こちらが声を掛けるまで、ひたすら同じフレーズの練習に没頭する姿勢に、何があっても揺るがないどっしりとしたプロフェッショナル根性のようなものを感じた。このような方と、間近で、音楽を通してコミュニケーション出来たことは、本当に貴重であり光栄なことだ。

レッスンや撮影の合間にも、ちょこちょこっと雑談もさせて頂いたけれど、何しろこちらも終始緊張していたので、もっとリラックスしてお話させてもらえばよかったと今になって思う。

話の中で1つ面白かったのが、染谷さんと自分の父が同じ小学校の出だった事。なんとも奇妙なご縁。

染谷さんは、監督として映像作品も発表されていて、その中に「清澄」というショートムービーがある。その映画のロケ地が、自身の楽曲「onkei」のMusic Videoのロケ地とほぼ同じだったというところにも、どことなくご縁を感じてしまった。ドラマの撮影とかでもよく使われている場所らしいのだけれども。

ちなみに、凄くどうでもいい情報かも分からないが、「ポンチョ」に青木もエキストラとして出演させて頂いている。そのシーンは染谷さんと一緒のフレーム内に写っていて、ちょっと分かりにくいかとは思うけども、ぜひ劇場でそちらの方も確認してもらえたらありがたい。